会長挨拶
第35回日本新生児看護学会学術集会は、2026年11月21日(土)~22日(日)にパシフィコ横浜 ノース(神奈川県横浜市みなとみらい)で開催いたします。
新生児看護に関わり「新生児にとって何が良いのか?」と日々模索し、奮闘しています。我が国の新生児医療の救命率は、世界でも高水準を示しており、新生児看護分野でも進化を遂げていると感じています。入職当時は、保育器に入った赤ちゃんがひとりぼっちで懸命に頑張っている姿や施設の規定で限られた面会時間・面会者、24時間煌々と照らされた灯りの中で泣く光景がありました。沐浴も医療者が毎日実施し、ご両親は沐浴指導の時だけ実施できるなど医療者が中心となって赤ちゃんのケアが進められていたように思います。
現在は、面会制限も緩和され、赤ちゃんは両親だけでなく祖父母とも対面できるようになり、ご家族に囲まれすやすやと眠る姿やご家族の笑顔が増えました。沐浴もほぼ毎日ご両親が赤ちゃんと会話をしながら入れられるようになりました。保育器に入った赤ちゃんも両親の胸の上で眠れる時間が設けられ、NICUのフロアで親子が一緒にお昼寝しているなんて姿もみられるようになりました。
今回、学術集会のテーマを「新生児看護の歩んできた道と光ある未来へ」としました。このような過去を近年新生児看護に関わり始めた看護師に話すととても興味深く聞いてくださいます。これまで歩んできた道は、現在のケアの根拠となっていることが多く、過去を知ることの大切さを実感しております。
今までどのような看護が行われ、現在に至っているのかを知り、過去・現在から未来へ繋げるにはどうしたら良いのか。様々な角度から、新生児にとって何が良いのかを考える機会にしたいと思います。新生児看護の歩みを築いてきた看護師は振り返り・伝え、近年新生児看護に関わり始めた看護師・これから関わろうとしている看護師は新生児看護の歩んできた道を知り、光ある未来へ繋げることを考えられる学術集会にできたらと考えています。
第70回日本新生児成育学会学術集会と共同開催で、合同シンポジウムや学術集会企画も考えております。皆様が一つでも気づきや課題を持ち帰り、今後に活かせる内容にできるよう務めたいと思います。
多くの方と対面形式で有意義な時間を過ごせたらと思っております。ぜひ、仲間をお誘いいただきご参加いただければ幸いです。
第35回日本新生児看護学会学術集会
会長 細井広江
日本大学医学部附属板橋病院 NICU・GCU 師長補佐
新生児集中ケア認定看護師
